牛と生きると決めました! 家族みんなで米沢牛を育てています。

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出産

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母牛の最大の仕事

繁殖牛と言われる母牛には子牛を無事に生んでもらうことが大切です。
牛は安産の動物と言われますが、
それでも事故が起こることはあります。
牛の妊娠期間は約280日。
出産の度に元気な子が生まれてほしいと強く思います。

何度立ち会ってもドキドキ

牛は季節を問わず子牛を生みます。
繁殖農家は育てている牛の数が多くなるほど年に何度も出産に立ち会いますが、
出産は大きな出来事です。

出産というものに対して本能的に無事を願うのは
種を超えるのだと思います。
元気な赤ちゃんを生んでほしいという気持ちは自然に湧き起こります。

産後に母性が急上昇

出産を境に母牛の性格が急変することがあります。
牛の性格によって違うのですが、
子牛が生まれた途端、そばにいる人に対して頭突こうと向かってくる牛や
近づかなくても子牛を見つめるだけで威嚇してくるような場合もあります。

逆に、子牛の世話を上手にできないこともあります。
特に初めての出産ときに生まれたばかりの子牛を舐めにいかなかったり
母乳を飲もうとしている子牛を嫌がって蹴り飛ばすことがあります。

大概は問題なく子牛を育てるのですが
状況に応じて対応することが必要です。

子牛が生まれることは経営面でも大事

生産者という立場から見ても出産はとても大事です。
肥育の牛は米沢牛として販売されることによって、
子牛は子牛市場で売られるか肥育されることによって、
それぞれ収益をもたらします。
母牛は妊娠しなくなったり年を取ると牛肉として販売されますが
元気な子牛を定期的に出産することが何よりの仕事。

家畜は経済的メリットを生み出すために育てているという現実があります。

出産の流れ

20150402よねざわびじん出産直前全身HP出産

出産の始まりは水風船のような袋が出てきます。

この状態になる前にさまざまな兆候があります。
大学生の時に付属農場では分娩数日前から体温を測って温度変化を見たり、
実習先の酪農家では乳の張り具合をよく観察していました。

我が家ではどちらもしていません。
体温を測る手間を考えるとそこまでしなくても出産に問題が起きていないということや
乳の張り具合は本当に直前にならないと張っている様子がわかりにくいからです。

数日前から便が軟らかくなる場合が多く
また、陣痛が始まるとウロウロしたりお腹を蹴ったり食欲が落ちたりするので気付くことがあります。
けれども何も兆候がなく気がついたら袋が出てきてお産ということもよくあります。

20150402よねざわびじん出産 子牛の前あしと舌HP出産

 

袋が破れて前あし2本とピンク色の舌が見えています。
子牛は普通前あし2本を伸ばした格好で、その上に顔を乗せて出てきます。
舌が出ていることが多いです。
初めて見るとぎょっとするかもしれません。

20150402よねざわびじん出産HP出産

 

無事に出産。

我が家で子牛の出産が始まったのは2015年。
当初は子牛の肢が出てきたらロープで引っ張ることが多かったのですが、
今は難産でないかぎり介助しません。
ロープを結ぶために母牛をつながなければなりませんが、
つなぐより自由に動ける方が母牛にストレスがかからないようですし、
産後の興奮の仕方も違うように思います。

産後の味噌汁

20150402よねざわびじん産後の味噌汁HP出産

我が家では産後に味噌汁を飲ませています。
昔はそれが当たり前だったと聞いたことがあります。

産後の回復にどのくらい効果があるのかわかりませんが、
美味しそうな気がするのでやることにしています。
牛の好みがあって飲まない子もいるし、
出産直後は飲まなくても少し落ち着いてから飲みだす場合もあります。
(この写真は出産直後に飲んでいる様子。興奮していて目がギラギラしています)

味噌汁の作り方は適当です。
大きなお玉に山盛り2杯の味噌を、10リットルくらいのお湯で溶かします。
温度は人肌くらい。
それにデュファゾールというビタミン剤を入れています。

 

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