つめ切り
つめ切り=削蹄(さくてい)
牛の蹄を削ることを削蹄といいます。
削蹄という人より、つめ切りと言う人の方が多いように思います。
牛にとって肢と蹄は命に関わることです。
特に乳牛は立たせないと搾ることができませんし、
エサを食べる量が多くルーメンへの負担がかかると蹄病にもなりやすいため
蹄の手入れは大切ですが、
肥育・繁殖においても600kgほどの体でしっかり歩いてもらうために重要です。
削蹄師という資格があり、
つめ切り専門で牧場を回る仕事もあります。
我が家ではつめ切りは自分たちの仕事です。
つめ切りは重労働
順調に枠に入らない場合
つめ切りをするとき、
一般的には牛を固定する枠の中へ入れます。
その枠の中に入るのを牛が嫌がると大変です。
母牛は何度もつめ切りをするのですんなり入るようになりますが、
肥育の牛は2回しか切らないのでスムーズに入る牛はほぼいません。
嫌がる牛は引っ張ったり押したりして入れるまで時間がかかり、
人の体力もかなり使います。
つめ切り中のケガ
つめ切りをするには蹄を持ち上げて削ります。
じっとしていられなくて牛が突然動いたりすると
固定している枠そのものが動いてしまい人がケガしてしまうことがあります。
つめ切りは主蹄の2つ
牛は偶蹄目で主に2つの蹄で立っています。
副蹄という小さいものも後ろについていますが
つめ切りは主蹄だけ。
両方のバランスを見ながら平らになるように切ります。
また切り過ぎは血管を切ることにもなります。
切ったつめ
蹄は先端や外側はハサミのような道具を使い切り落としますが、
地面に着く底面は鎌のような道具を使い削り落とします。
削り落とすのでペラペラと薄いつめが落ちるのですが
けっこう硬く手で持って曲げようとしても簡単ではありません。