米沢牛を育てていると米沢牛食べ放題?
米沢牛を育てていると食べ放題だという誤解
米沢牛を育てていると言うと
「えー!米沢牛ちょうだい!」とよく言われます。
「牛1頭連れて行く?」と冗談で返すと「いやいや(笑)」
「毎日米沢牛食べてるのでしょう?」と言う人もたまにいます。
そういう生産者もいるかもしれませんが
我が家は毎日食べているわけではありません。
「買わなきゃ食べられないしね」と付け加えると
「えっ?!買うの?」
多くの生産者は米沢牛を食べるとき購入する
我が家で米沢牛を食べるときや知人に贈るときなどは
精肉店で購入しています。
まわりの生産者も同じような人が多いです。
米沢牛の定義にあるように
米沢牛として認定されるには米沢か東京の枝肉市場に上場されたものがほとんど。
多くの生産者は枝肉市場で競売にかけることにより収入を得ます。
競売の終わった枝肉は競り落としたお肉屋さんのものになるので
自分の育てた牛を食べたいときは
競り落としていただいたお肉屋さんから買うことになるのです。
一つのお店と直接交渉する相対売買する方法や
お肉屋さんが牛舎を持っていて自家産の牛を米沢牛として販売する方法もあります。
精肉の販売の資格を持っていてお店もあると
食べ放題の生産者になれるのかもしれませんね。
現実は、
牛を育てる時点でエサ代など費用が膨大にかかるし、
屠畜や格付けでも費用が発生するので
思う存分食べ放題!ということにならないと思いますが…。
自分の育てた牛がどこで売られるか
我が家では育てた牛がどのような米沢牛になっているのか知りたいと常々思っています。
そこで我が家の米沢牛を購入するのですが
ときどき生産者の私たちですら、
自分の育てた牛がどこで販売されるのかわからないときがあります。
米沢市内や近辺の精肉店が我が家の牛を競り落とした場合、
直接電話していつから販売なのか問い合わせることができます。
お店によっては生産者名をはっきり明示して店頭販売しているところもあって
うちの名前を見たから買ったと言ってくださる知人もいます。
ところが、
卸業者が競り落とした場合は大変難しくなります。
地元のお店で販売されるときはわかる場合もありますが、
東京の枝肉市場だと大きな企業が競り落とことが多く、
そのような会社だと卸先の数も多くなります。
問い合わせると調べていただけるようですが、
どこに卸されるかわかるまでも時間がかかり、
卸された先が全国どこかもわからず、
精肉として販売されるのか、
レストランで調理されるのか、
加工品として出回るのか、
最終的なところに辿り着くまで関係者にご迷惑をおかけすることになります。
こうして考えると
生産者である私たちが自分の牛がどこで売られるかわからないことがあるのに、
消費者の方々はもっとわかりにくいだろうと思います。
どこでどのような形で食べていただいているかわからなくとも、
我が家で育てた米沢牛を食べて
みなさまが笑顔でたのしく食卓を囲めることを願っています。