おはようございます。倫子(ともこ)です。

今年から法人化して、米沢牛いとう牧場になった我が家。
トレーサビリティの関係で、今のところお父さんの名前で枝肉も子牛も出荷しています。

牛には個体識別番号というその牛だけの番号があります。
インターネットで個体識別番号検索というサイトがあり、
販売されている精肉に表示されている個体識別番号を誰でも検索することができます。
(今我が家にいる牛の番号を検索しても、うちにいることがわかります)

検索するとその牛が生まれてから枝肉になるまでどこで育ったかがわかります。
今は我が家の牛はすべて、生産者名「伊藤精司」になっていて、
これを米沢牛いとう牧場に変えるのが大変難しい状況です。

9ヵ月齢くらいの子牛を買ってくるときに自己資金で買って来られれば良いのですが、
預託という形で購入する場合があります。
我が家の場合、簡単に言えば農協に借金して買うことです。
農協も地域によって違うのでスタイルが違うのかもしれませんが、
ここでは預託牛は枝肉となるまで子牛を買った生産者以外の名義に変更することはできないそうです。

つまり、子牛を買ったのは「伊藤精司」なので「米沢牛いとう牧場」の名義に変更はできないということです。

そうなると、預託牛は伊藤精司の名義のままにして、他の牛は法人名義に変更して…と考えたいところですが
一つの牛舎に所有者の違う牛がいるということは農政局の考えで認められないそうです。
また、
個体識別番号検索で出てくる生産者名は同一住所を同時に2つ登録することはできないので
今のところ牛の名義変更をできずにいます。

実際に我が家で大変なのはお金の移動です。
名義を変更していないので個人の収入を法人の収入へとその都度移動しています。
枝肉の売り上げも子牛の売り上げもです。
預託牛が枝肉になるのは来年の今頃までなので約1年これを続けるのかな、と思うと
農繁期には少し負担になると思います。

国は農業の法人化を勧めているようです。
税理士さんとも話をしていて、
法人化を勧めているのにこういう事態はおかしいから国のシステムを変えるように働きかけましょうと言っていただきましたが
現場レベルではどう話を進めていけば良いのかわかりません。

こういうことは法人化して初めてわかったこと。
この他、個人経営から法人に切り替える手続きでスムーズにいかないことがさまざまあります。
一つ一つ進めているところです。

さて、

一昨日あまり稲わらを食べなかった繁殖牛たち。
昨日の夕方にはちゃんと食べていて安心しました。
4月に入って夕方のエサの時間を変えたからリズムが狂ったのかもしれません。

きたたかしげが出産してから21日になります。
出産後の最初の発情を見つけるのが大切なのかな、と思ってこのところ気を付けています。
授精させるのはまだまだ先ですが、子宮の回復はちゃんと進んでいるかな。ドキドキ。

それにしても子牛のやまちゃんはカメラを向けるとよく止まってくれるのでいつもかわいく写ります。
2016.4.3きたたかしげとやまちゃんHPブログ